私は身体のことを探求していくうちに身体のすばらしさを知りました。それは、身体を知れば知るほど一つの物体ではないことがわかってくるからです。免疫アップや身体を大切にしている人が増えていますが、身体の神秘的な部分はこれからどんどん解明されてくると思います。その中でも筋肉が私たちの意思を伝えるための唯一の手段だという事をご紹介していきます。
筋肉のしくみと働き
筋肉には、手足を動かす骨格筋のほか、内臓の平滑筋や心臓をつくる心筋があります。これらの筋は、見た目は違っていますが収縮の仕組みはほとんど同じです、いずれも筋繊維という伸び縮みする仕組みを持ち、神経からの指令(電気刺激)で筋繊維が縮み筋肉全体の収縮が起こります。筋肉は、収縮することによって身体を動かしています。筋肉は収縮することはできますが、伸びることが出来ないので収縮しきった後は筋肉を引っ張ってもらわないと元の長さに戻ることができません。(縮みきった筋肉はストレッチして筋肉を伸ばして収縮できる状態まで戻してあげる必要あり)
養老孟司著 「手入れという思想」より
脳の出力は骨格筋の運動である、脳が情報処理装置として外界にかかわるのは「骨格筋運動」だけです。
【筋委縮硬化症】骨格筋の運動が完全に止まると呼吸ができなくなります、「横隔膜」は膜という名前がついていますが筋肉です。現代では人工呼吸器をつけることで脳死問題がうまれています。人は筋肉がほとんど動かなくなった段階で最後まで動く筋肉が外肛門括約筋というお尻を占める筋肉です。もともと腸の筋肉の平滑筋であったものが随意的に動く横紋筋に変化したもので神経の位置も普通の筋肉と違い筋肉の病気でも最後まで生き残っている筋肉です。脳という入出力系は、随意運動を切られると一切出力できなくなります、痛いのか、痒いのか、辛いのか何を考えているのかが一切わからない、生命を維持することは出来るが意思を聞くことは一切できないのです。入力は五つの感覚がありますが、筋肉は意思を表す(出力)する唯一の手段です。目が見えなければ耳が聞こえる、耳が聞こえなくても触った感じで分かるヘレンケラーのように知覚はいくつか保証されるのです。
私たちの筋肉は意思を伝えるための唯一の手段です。考えていることはアウトプットしなければ人には伝わりません、その唯一の手段が筋肉の運動だとは思いもよりませんでした。これからAIの技術が進んでいくと考えていることや、思ったことがテレパシーのように言語化されていく時代が来るのかもしれません。ただ、今のところ自分の思っていることや考えを人に伝える手段が筋肉しかないというのは事実です。そう考えたときに筋肉と長く仲良く付き合っていく必要があることがわかります。
筋肉の中にある小さな脳
もう一つ筋肉の働きの中で面白いと思ったのが、筋肉も記憶をもつことでした。実は筋肉だけでなく皮膚や臓器にも意思があるといわれています。考えたり記憶をするのは脳だけのように思いがちですが、現在では臓器が会話していることも解ってきていますし、臓器移植をしたら今まで好きじゃないものが大好きになった!なんてテレビでも見たことがあるかもしれません。脳だけでなく身体が意思や記憶を持つと考えたときに不思議なことではなくなります。
筋肉は感覚器と言っていいくらい筋肉の中にたくさんの感覚器があります。その中でも研究が進んでいる筋紡錘(きんぼうすい)は中枢に向けて信号を送る役目があります。の体の筋肉は、全身に張りめぐらされた運動神経を介して大脳に直結しています。脳は大脳だけでなく、身体のいたるところにリトルブレイン(小さな脳)として存在しています。したがって運動し筋肉を使うことは脳を使う事と同じです。そしてマッサージをすることは、筋肉に対して運動と同じ効果を出すことが出来ます。
私たちは、顕在意識が10%で潜在意識が90%ともいわれていますが、脳以外の部分にも意識があるとすれば当然ですよね。
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